第25節 ガンバ大阪(A)

 
勝ち点1差を追う首位攻防戦。
 
[スタメン]
     本山 アレックス 
  深井        増田
     フェル 小笠原
新井場 大岩 岩政  青木
       曽ヶ端
 
前節からの小笠原ボランチ。マークが集中するから下げるというのはいいが、増田が機能できるか。
青木が右SBなら、ハーフラインあたりからでも対角の前線に正確なロングボールを送り込めるが、本山、深井とヘッドでの競り合いは得意でない選手が受け手となるのが、ちょっともったいない。
名良橋はベンチにも入らず。
 
[J's−GOALのこの試合]
http://www.jsgoal.jp/result/20050100010720050924_detail.html
 
[前半]
立ち上がりから全開で攻め込んで行くが、ガンバも気持ちの入った激しい当たりで潰して逆襲。
早々に青木のクロスがあったが、ヘッドでの競り合いは当然のように負けた。流れの中からはグランダーでの崩しを中心にしていかざるを得ない。
ファーストシュートは鹿島、アレックス。
 
9分、GKから蹴り込まれたロングボールを右に流れたフェルナンドが奪取。中央の小笠原に渡すと、大きく開いた左を上がってきた新井場へ。新井場は敵陣中央まで駆け上がって、左に張る増田へパス。増田はマークを受けて自陣方向へ逆走ドリブル、フォローに来た本山にスィッチ。本山が敵に当てつつもペナ前のアレックスへ浮き球、半身でのトラップを素早く決めると、DF3人に囲まれた状態から、小笠原にスルーパスを合わせる。小笠原は裏に出た勢いそのままに、ペナ左から右ゴールネットへグランダーシュートを決めて先制、1-0。
 
その後も攻め合いながらも、お互いのディフェンスの集中でしのぐという展開が続く。
惜しい所まで行くが、点は入らない。フェルナンジーニョは焦れたのか、19分にシミュレーションでイエローを貰った。
 
鹿島は、OHがサイドの上がりに対するケアも行って下がる為か、押し込まれた後の繋ぎが悪くなってきた。
鹿島陣内から苦しめのバックパスが大阪DFラインまで戻された23分。
自分達が攻めていると判断したのか、バックパスを追って鹿島のFW、OH、さらにボランチまでもが全員センターサークルまで上がってきた。DFラインは自陣中ほどで、ぽっかりスペースが空いたところにパスを出されフェルナンジーニョが右サイドよりで受ける。
青木がチェックに出てきたが、さらに外に二川がフリーでいる為に当たりに行けない。対面したまま下がって二川に出され、クロスのコースを切る位置には回りこんだが、二川の技術なら問題なく青木の頭の横を通してクロスを通す。
ニアの大黒が飛びつくもスルーして、ファー(と言ってもゴールマウスの内側)のアラウージョがダイレクトにボレーで決めた。
ボランチのバランスの取れなさが出てしまい、追いつかれて 1-1。
 
36分、鹿島が押し込み、FWは敵ペナ前でDFラインに入って、その前でパスを回そうかというところでパスカットされる。ボランチサイドバックも攻撃に絡みに行った為、空いた真ん中をフェルナンジーニョに疾走される。小笠原・フェルナンドが絞りに来た所で大岩の左外へスルーパスアラウージョが抜け出して一瞬曽ヶ端と1対1になるが、正しくゴール方向を切った曽ヶ端を交わしている間に大岩が戻ってきてシュートに体を投げだす。シュートは防いだものの、大岩は転倒してピッチの外へ滑っていく。まだボールはゴール前に残っており、これをアラウージョが押し込みにダッシュするが、今度は岩政が間に合って、ボールを蹴り出した。
このプレーの直後に本山にイエロー、原因は不明。
 
39分、ペナ右で、深井の突破の前に立ちはだかったシジクレイにイエロー。ぶつかりに行ったのはどちらかというと深井だったのだが、それまで相手を倒すディフェンスをしていたつけを払わされたか。
このFKは、小笠原。
2枚の壁の横を抜いて曲がって落ちる球が、ワンバウンドでゴールにすいまれた。
パスの繋がりが悪くなってきた劣勢の中、個人技であっさり突き放し、2-1。
 
この後もお互い攻め合うが、さすがに消耗を感じさせ早々カットに合う展開で前半終了。
 
[前半終了]
前半を通して攻め合う展開。鹿島は、リズムの悪い時間帯があったものの、そこで追加点を奪って帳消しに。
浮き球が生かせないためか、パスカットに合うことが多くなってきている。
あとはやはり、ボランチのバランス。小笠原が必然的に上がって攻撃に絡みにいくなかで、フェルナンドがその後ろで縦の関係になれずに危機を招いている。
小笠原ばかり上がっては効率的なマークに合うだろうし、釣瓶の動きでやれないものか。
増田に特筆するような活躍がなかったのが残念。
 
 
[後半]
ガンバは立ち上がり、長いパスで隙をうかがう。
1分に大黒を倒して大岩にイエロー。
3分には深井を倒して遠藤にイエロー。
鹿島のパスが次々とカットされる中、繋いで、裏に出してペナルティエリアに迫るのはガンバ。
鹿島は小笠原が高精度でスペースにロングボールを送ってそこで受ける単発の攻めを強いられる。
そして6分、曽ヶ端がバックパスをグランダーで返したところ、大黒にカットされてしまいあっさりとゴールされてしまう。しょうもないミスからの失点で2-2と追いつかれた。
 
10分、深井がまた潰されて松下にイエロー。
鹿島は前線でのロングボールの競りあいが弱く、ドリブルはファールで潰され、グランダーパスのカットを狙われている。小笠原が、引いた位置で前を向いてボールを受けることができているのが救いだが。
11分にフェルナンドがアラウージョを潰してイエロー。

19分、鹿島のペナ横で深井がフェルナンジーニョを倒してFKを与える。
この守備、ファー側がまったくノーマーク。どうするのかと思っていたら、最後までマークは外しっぱなし。飛び込んできた宮本が無理目のボレーで外してくれて逆に助かったが、その外で二人フリーで狙われていた。
 
21分、ミスの目立つ増田をリカルジーニョに交代。小笠原をOHに上げるか。
 
この時間帯になると、ボールの方をみてゆったりと戻る鹿島の中盤をガンバの選手が次々と追い越していくのが目立つ。鹿島の攻撃ではこういう追い越しはあまり見られず、後ろの選手が上がる場合も押し上げているといった印象。
26分もこの形。遠藤がハーフラインからの走り込みであっさり青木と岩政の間を抜けて裏でボールを受けてシュート。外れたが、その外にもアラウージョらしき選手がドフリーで走っている。
 
28分、電池切れ感のある本山を野沢に交代。
31分、まだドリブルが効いていた深井を鈴木に交代。前に張らせるか。
33分、リカルジーニョがシミュレーションでイエロー。
35分、上がった青木が敵DFライン前の小笠原にパス。小笠原は反転してDFの間を通すスルーパス。飛び出した野沢がシュートまで行くが、GK藤ヶ谷の攻守に阻まれる。
ここでガンバも2枚交代。フェルナンジーニョ → 吉原。松下→ 家長。
44分、ペナ内を右に流れてロンボールを受けた大黒。青木をフェイントをかけて抜くと中央に折り返し、これをアラウージョが押し込んでゴール。この時間に2-3と突き放されてしまった。
46分、鹿島陣内から苦し紛れに打ち上げられたボールを、鈴木が競り合う。
体を当てて綺麗なクリアを許さず、ペナ左に転がるこぼれ球を追うガンバDFは2人。
このこぼれ球に野沢が先に追いついて、フリーのアレックスへ折り返す。アレックスは当然の様に決めて、3-3と追いつく。
鋭いパスでも無く、苦し紛れの高いボールだったから危機感がなかったのだろう。
交代前はガンバDF陣が競れば安定してクリアできていたのもあったか。
 
さらにこの後、アレックスの落しから野沢がゴールに蹴りこんだが、これはオフサイド
そして2・3プレーで試合終了。
 
 
[試合終了]
ガンバの攻撃は迫力があった。首位に立って箔がついた感じ。
守備も鹿島を上手く封じてした。
この状態でよく途中2-1にしたものだな、という感想。
曽ヶ端のミス以降は、最後のガンバの油断もあってスコアで内容を語れない感じ。
お互いよく引き分けたという感想だろう。
増田の力不足がやや目立ち、本山が後半消えすぎ。
小笠原、フェルナンドのボランチは不安定。菱形か、トリプルボランチか、リカルジーニョを使うか、練習でなんとかするか、とにかく手は打たないと。